柴又100K 〜柴又⇔埼玉⇔茨城の道〜
20016年6月5日(日)
Tパパです。
初ウルトラマラソン、お陰様で無事に完走できました!
たくさんの応援ありがとうございました♪
ベアちゃんのブログスペースを借りて当日の報告をします。
写真がない上、ウルトラマラソンに相応しく(?)ウルトラ長文。
途中で読み飽きてリタイヤ続出になりそうな気が・・・
エントリー〜大会前日
ウルトラにエントリーしたのは横浜マラソン2016が終わった2週間後。
来シーズン(9月以降)までレースが無いと練習のモチベーションが保てない
何かオモシロイ大会はないかな〜と探して見つけたのがこの大会。
100キロ走ったら絶対に
人生の鉄板ネタになる
それにラン歴7ヶ月半(開催時)で100キロ走れたらスゴくない?
で、エントリー
ウルトラにまぐれはない。
長い距離を走れるように練習を積む(←自分で言うのもなんだけどそこはマジメ)。
月間走行距離
3月 230キロ(横浜マラソン含む)
4月 260キロ
5月 300キロ
(これでも練習不足)
平日の練習はもちろんのこと週末毎に30〜40キロ走り込み、最長62キロも2回こなせた。
完走も見えてきた
が、11日前にトラブル発生
酷い下痢が3日間続いた
そういえば横浜マラソンも1か月前にインフルエンザになったっけ
体調管理がもっと上手にならねば。
体調管理と言えば、ウルトラでリタイヤする原因のトップは内臓トラブルらしい。
4日前からかかりつけの病院で処方してもらった胃薬を飲んで胃も強化する。
自分の場合、100キロ走るには約6000kcal必要。
食べながら走らないとエネルギー不足で走れなくなる。
例えると、自動車はガス欠したら走らなくなるのと一緒。
が、走ると疲れて食欲が落ちる。
が、食べないと完走できない。
そのために強い胃を作っておく必要がある。
ランナーのブログを読みまくってウルトラを走る知識も勉強した。
(得意の頭でっかち)
いよいよ、本番前日。
十分な睡眠を確保するために早めに寝ようとするも、ワクワク感で目がギンギンに冴えて眠れない。
遠足前日に興奮して眠れない小学生じゃないんだから
出発〜スタート
3:50 起床
4:35 出発
4:52 地元の駅の始発
6:23 柴又駅到着
駅を出たランナーの集団についていけば道を知らなくても会場へ行ける
地元商店街も垂れ幕で歓迎ムード
柴又帝釈天で
「必ず完走します」と誓いを立てる
6:40 会場到着
ちょうどBブロックのランナー達が号砲とともにスタート
一気にテンションが上がる
自分は最終組のHブロック。
スタートまであと60分。
7:20
「必ず完走して戻ってくるね」
ママと固く握手してスータト整列位置へ移動。
生きて帰れない旅に出るわけじゃないけど・・・
想像を絶する距離だからついつい感傷的になっちゃうんだよね
7:40 Hブロックスタート
沿道で見送ってくれているママとハイタッチしていざ100キロ
スタート前は傘が必要なくらい降っていた雨も、スタート時にはほぼ止んだ状態に。
気温は高くならない予報
天候も味方してくれている
スタート〜30キロ
Hブロックはウルトラ初参加や完走未経験者など、申告タイムが遅いランナー。
集団の流れにのってキロ6分40秒前後のペースで走る。
10キロ前後で集団がバラけてくる。
体が暖まってくると自然にペースが必要以上に上がってしまう
横浜マラソンはこの失敗で後半に地獄をみた
安定したペースで走るランナーと一緒に走ればオーバーペースを防げる。
誰かにペーサーになってもらおう。
しばらく探しながら走っていると発見!
赤いキャップをかぶった女性ランナーがちょうど同じペースで走っている。
走るフォームも綺麗で背丈も圧迫感が無い。
5メートルほど距離をおいて引っ張ってもらうことにする。
15キロくらい走ったところで他のランナーに話しかけられ、5キロほど会話しながら並走。
ウルトラマラソンはランナー同士で会話したり声を掛け合うのも楽しみの一つ。
一人で黙々と走ると孤独感いっぱいになるが会話することで気分転換になる。
この大会は背中のゼッケンに好きなコメントを書くスペースがあるので他のランナーのコメントを読んでいるのが楽しい。
そして会話のきっかけが作りやすい。
自分も他のランナーに
「愛知から参加ですか!?」
「え?来週も100キロ走るんですか?」
「同じシャツ着てますね♪」
「自分も初ウルトラなんですよ」
などなど何度も話しかけた。
気が付いたらキロ7以上にペースが落ちている
序盤からこれ以上ペースを落としたくない。
話好きそうなランナーだから会話が途切れそうにない。
トイレに寄る理由を作り別れることに。
ペースは落ちたが気が付かないうちに5キロ以上も走れた♪
話しかけてくれたことに感謝
どこまでも続く単調でのどかな風景。
鳥のさえずりを聞き、飛んでいる鳥を見る。
下を向くとテンションが下がるから遠くの空を見ながら走る。
口角を上げて笑顔を作る。
笑顔で走っていると沿道の人やスタッフさんが「頑張って!」「ナイスラン!」と応援してくれる。
「ありがとうございます♪」って手を挙げて応える。
応援してもらうと嬉しくて力になるし感謝の気持ちをしっかり声に出すことで自分を励ます効果あり
30〜50キロ(中間地点)
柴又100Kは江戸川沿いの堤防や河川敷を走り、茨城県五霞町までの片道50キロを往復するコース。
ジョギングしてる人、散歩している近所の住人さん、サイクリングをしている人、などなど日常生活をしている人と場所を共有して走っている。
31キロを過ぎたころ、前方からランナーが猛スピードで走ってくる。
トレーニングしている地元ランナー?
よく見るとゼッケンをつけている。
100キロのトップランナーだ
自分より38キロ先を走っていることになる。
AブロックのランナーはHブロックより70分早くスタートしてるとはいえ信じがたい速さ
しばらくすると続々とランナーが走ってくる。
女性ランナーもちらほら見かけるようになってきた
すれ違うトップランナーに「ガンバって下さい!」と声をかけるが、増え続けるランナーに声をかけ続けることに無理があることに気が付く。
それより自分が応援してるどころではなくなってきた。
38キロを過ぎたあたりから予定のペースより1キロ毎に1分前後遅れが出始めている
これ以上ペースが落ちないよう、とにかく粘るしかない。
42.195キロ(フルマラソン)通過をGPSウォッチで確認。
5時間5分くらい。
脚はさすがに重くなっているが、登り坂以外はまだ一度も歩いていない。
登り坂は無理に走らず歩くことで、走るための筋肉を休ませる効果がある
50キロの中間地点まで8キロ弱、とにかく頑張ろう。
50〜80キロ
ようやくたどり着いた50キロ過ぎの折り返し地点。
レストレーションには冷えたプチトマト、きゅうり、うどん、スイカ、冷水、スポーツドリンク。
欲望のまま一通りいただいてエネルギー補給。
いっぱい食べなきゃ走れないもんね(←ウソ。イッキに食べ過ぎ飲み過ぎは厳禁)。
ランナーにあまり相手にされてないように見えたので"ごかりん"と記念写真
なんだ、まだまだ元気じゃん、自分
ドロップバッグから後半の補給食、サプリ、エアーサロンパスを取り出しウエストバッグに詰め込む。
芝生で休んでいるランナーも多いが休むことに慣れて脚が動かなくなるのが怖いので直ぐに出発。
ところがここから10キロがとてつもなく長かった
食べ過ぎ?
ウエストバッグが重すぎ?(←ベルトが満腹の腹に食い込んで走りに集中できない)
キロ9分半までペースが落ちてしまう。
このペースでは制限時間までにゴールできない
さらに気が付いてしまった。
左膝の裏側、ふとももとふくらはぎをつなぐ筋(?)が痛い
平坦な道と登り坂は問題ないが、下り坂は左脚の着地が怖いレベルの痛み
エアーサロンパスを吹きかけてごまかす。
おまけに復路は向かい風がキツイ。
コースのレイアウトから考えるとゴールまで向かい風なのは確実
気分を変えよう
カフェイン入りのエネルギージェルを飲んでみる。
しばらくして急に体が軽くなって気がしてきた
カフェイン効いた?
"その気になりやすい性格"に感謝
62キロの表示を超える。
練習で62キロは2回走ったが、ここからは未知の世界。
ウルトラは"70〜80キロが中間地点だと思え”という(マジで?
)
また脚が重くなってきた。
ついにお約束の壁がきた?
気持ちが折れる前に気分転換にガツガツ歩いてみる。
感覚で30秒歩いたら走る。
歩いているランナーを抜いたら自分にご褒美、30秒ガツガツ歩く。
これを何度か繰り返していたら歩いているランナーがいなくなってきた。
60キロ過ぎたら歩いているランナー続出かと思ってた。
これじゃ歩けないじゃん
周りのランナーが走っているのに自分だけ歩くわけにいかない。
(見栄を張れるうちはまだ元気な証拠)
そう思って走り続けたら意外にも歩きたいと思わなくなった。
気分転換成功 結果オーライ
ゴールまで30キロ。
スタートしてしばらく引っ張ってもらった赤いキャップの女性ランナーを見かけるようになった。
ペースは自分の方が速いがトイレ休憩もやたらに多い。
5キロごとにトイレに寄っている。
(欲望のままに水分補給しているのが原因?)
トイレ休憩中に追い越したランナーに追い越されてしまうのだ
女性ランナーと並走になったので声をかけてみた。
「速いですね。気が付くと前を走っていらっしゃいますよ」
「いえいえ、ペースが全然違いますよ。追いつけません」
自分も女性の視界に入っていたようだ。
「お互いに初めてのウルトラ、絶対に完走しましょう」
そう約束して先行。
カッコつけて去ったがその後 何度もトイレ休憩の間に抜かされたのは言うまでもない
80キロ〜フィニッシュ
82キロ過ぎの給水所
エネルギー補給のため大福(1/2カット)を頬張る。
「もっとどうぞ♪」の言葉に
「え〜、もう無理ですよ」と言いつつ丸々1個ドーンと一気に頬張る。
おぉ!と驚きの声をもらって「ウケた」と心の中でガッツポーズ。
が、胃袋が疲れているところに大福1.5個はムチャだった
このあたりでGPSウォッチが電池切れ。
普通のランニングウォッチに付け替える。
やっぱり長時間駆動のGPSウォッチ欲しい・・・
日没後、コースは真っ暗。
街灯がないので足元のギャップにつまづかないように注意が必要。
暗闇の中にネオンが目立ってくる。
都会に戻ってきたんだなぁ(しみじみ)。
88キロ地点。
また脚が重たくなってきた。
ヤバい、蛇行して走っている。
次のエイドまでガツガツ歩きを交えて何とかしのごう。
行ける行ける!まだまだ行ける!
呪文のように繰り返す。
ようやく90キロ過ぎのエイドに到着。
スイカ食べ放題
甘くておいしい
「いっぱい食べてください!」と言われたので遠慮なく5切れほど口に詰め込む。
生き返った
調子にのって走り出しキロ6分50秒
いつまでも続くわけもなく92キロ以降はキロ8台に逆戻り。
こういうムラが余計に疲れる原因ってわかってるんだけどね
あと少しで98キロ地点。
最後の試練、砂利道が1.2キロ続く。
砂利道、嫌いじゃないけど辛い・・・。
半分以上のランナーが歩いている。
人が歩いていると自分も歩きたくなるのが人情(←言い訳)。
砂利道が終わるまで残り500メートルとスタッフさんが教えてくれた。
500メートルならここは歩こう。
最後の1キロ、気持ちよく全力で走るために。
ガツガツ歩いているとあの女性ランナーが追いついてきて声をかけてくれた。
かなり苦しいらしく並んで歩き始めた。
「砂利道厳しくて・・・あと少しで終わるらしいので温存してます」
「時間、間に合いますか?」
「残り40分です。キロ8でも全然大丈夫。絶対完走できます」
砂利道が終わり最後の急坂(100メートルくらい?)。
ここも無理せず歩く。
女性ランナーも走り出さない。
並んで歩いても疲れ切っているので無言のまま。
「疲れて言葉が出ませんね」
登りきると残り1キロ。
「ここまできましたね!残り1キロ、頑張りましょう」
力を出し切ってゴールしたいので先行して走り出す。
ゴールの明かりを探し続けるがなかなか見えてこない。
本当にあと1キロなのか?(←本当です)
妙に長く感じる。
そして、ついに見えた
(嬉しくて半泣き)
脚よ、あれが柴又の灯だ!
(「翼よ、あれが巴里の灯だ」のパクリ)
200〜300メートルくらい?
距離感はつかめないが最後の、最後の力を振り絞る。
暗い下り坂の下、照明で照らされた明るい場所にママの姿が見えた。
左足の痛みにビビりながら下る。
「ただいま!帰ってきたよ」
手をつないで二人でゴールへ向かって走る
(後から文字にすると恥ずかしい(照れる?)けど、この日 一番思い出に残る最高に幸せな一瞬だった)
提灯が照らすビクトリーロード(ママとはここで一旦別々に)。
応援の人やスタッフさん全員から「おかえり!」「お疲れ様!」「ナイスラン!」の声援をもらう。
全員とハイタッチしながら「ありがとう!ただいま!」大きな声で応えて走る。
ガッツポーズでゴール
提灯に照らされたわずか20〜30メートルのビクトリーロード。
ここを駆け抜けたくて練習で約800キロを走り込み、今日も朝から走り続けてきたのだ。
やったよ、サイコー
ゴールすると真正面で大きく手を振ってる人がいる。
誰?え?きなこさん&としこちゃん?
何でこんなところにいるの?
家が近かったから応援に来てくれたらしい。
ありがたい
完走メダルを首にかけてもらい記念撮影していると女性が声をかけきた。
あの女性ランナーだった。
向き合って話すのはこの時が初めて。
涙目で
「完走しました!」って嬉しそうに笑っている。
「おめでとうございます!(自分達)やりましたね」
互いの健闘をたたえ合う。
「またどこかのレースで一緒に走りましょう」
感謝の気持ちを伝えて別れる
完走メダルをママの首にかけた。
ママの日頃の協力と応援なしでは完走はあり得ない。
100キロを走っている間、自分の心の中でママも一緒に走っていてくれていた。
(実際のママはパークでビール飲んでカルガモ親子の追っかけをしてBBBをセンター2列目で見てたらしい)
だからママにも完走メダルを受け取るよろこびを一緒に味わってほしかったのだ。
本当にありがとう
ネットを通して応援してもらってたみんなにも感謝
いただいた応援や励ましの言葉は宝物。
大会ボランティアのみなさん、全ての給水所で冷蔵庫から出したような冷たい水を出してくださってありがとうございます。
沿道で声援をおくってくれた住民の方々、私設エイドの方にも感謝。
一緒に走ったランナーにも感謝(←刺激もらったから走り続けられた)
タイムは速報で13時間35分39秒。
あわよくば13時間切りと思って走ったけど全然ダメ。
沿道で応援してくれる方と立ち話しなければ・・・
子供のボランティアと遊ばなければ・・・
エイドのボランティアと談笑しなければ・・・
タイムはもう少し縮まったかもしれないけど、その分 思い出も減っちゃうよね。
ウルトラならではの楽しみを思いっきり味わえたから大満足。
タイムを縮めたいなら自分の脚をもっともっと鍛えればいい。
あ〜・・・トイレに十数回寄ったのは考えものだね
その後、新柴又駅近くの銭湯で汗を流す。
23:14 新柴又駅 最終電車
00:59 地元駅到着
01:15 帰宅
腹が減ったことに耐え切れず、ママが買ってくれた柴又の名店「川千家」さんのウナギを食べ、「とらや」さんの草団子を食べる。
強い胃袋、健在。
食べ終わってすぐに爆睡。
長かったようで短かった一日、一生忘れないだろう一日がこうして終わったのでありました。
その後
心配していたのはやっと落ち着いた腸脛靱帯炎と左の大殿筋の痛みは全くでなかった。
足の裏の皮が剥けることもなく無事に完走できたわけだが・・・
月曜日
左脚の痛みが悪化。
両足ともにフクラハギからつま先までパンパンにムクんでいる。
火曜日
左脚の痛みがさらに悪化。
足を引きずってゆっくり歩くのがやっと。
ママに「じいさん」と言われる。
水曜日
左脚の痛みが少し和らいできた。
一難去ってまた一難、両足の人差し指の爪が変色してる
まさか剥がれるの?
そんな中、来年の柴又100K攻略法を考え始める。
懲りないね♪
おしまい